小さいとは
世界中どこでも
小さな人たちは、見事にかわいい。

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「毎日見ていても飽きない」とよく言われるが
まさにその通りなんだと、
娘が生まれて初めて知った。

小さな人と暮らしていると
それまでより小さなものに気づくようになった。
蛇だって蜘蛛だってハイエナだって
小さな彼らはとてもかわいい。
小さい=かわいい、と言い切ってしまいたい。

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そして、大きくなるとそれなりになる。
人間も同じ。

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仕立て屋さん
もう2年も前になるが
初めて博士がシャツをオーダーメードした時のこと。

ガーナでの仕立て屋さんは日本の美容院や歯医者のようだ。
探さなくてもあちこちで目に入ってくる。
しかし、腕と相性の両方がよい仕立て屋さんを見つけるのは
そう簡単ではない。
それもきっと日本の美容院や歯医者と同じだ。

飛び込みで試してみるのも時には楽しいが、
気に入った生地や限られた時間の時は
友人の口コミがあると安心だ。
誰かが格好のいい服を着ていたら、
その人にどこで作ったのか尋ねるのが一番いい。

「かなりごちゃごちゃしたローカルな場所だけど、、、」
そう言いながら教えてもらった仕立て屋さんに
数日後、博士と二人でドキドキしながら向かった。

地元の人たちが「アクラのセンター」と呼ぶ地域。
ひっきりなしにクラクションが鳴らされ、
人もバイクも車もひしめいている。
もはや、どこが車線なのかもよくわからない。
バイクがすれすれに脇をすり抜けていく。
対向車が目の前からやってくる。
仕立て屋さんのあたりに来たが
車を停める場所などどこにも見当たらない。

ずいぶんと離れたところになんとか車を停めて
仕立て屋さんへと歩く。
車の中で感じたあの喧噪も危なく見えた雰囲気も
一歩外に出たとたん、不思議と気にならなくなる。
じぶんもその光景の一部になるのだ。

教えられた通りに
人々で賑わう軽食屋の前で電話をすると
仕立て屋さんが迎えに来てくれた。
彼の後について人をかき分け
軽食屋のわきの細い通路を入っていく。
ちょうど軽食屋の裏が仕事場、そして家だった。
家といっても、奥行きがわずか2、3メートルの細長い部屋。
そこに何人で暮らしているのかわからないが、
割れた窓ガラスをのぞくと大人が一人、中で寝ていた。

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持ってきた生地を渡し、シャツを注文すると
首から下げたメジャーを博士の肩幅や腕にあて
小さなノートに数字を記入した。
私のスカートも頼みたかったが
男性の服しか作らない、とのことだった。

ほんの5分ほどのやりとりだったが、
その手さばきと穏やかな口調、心地よい音のミシンから
長年仕立て屋として生きてきたおじさんの人生の一端が
しずかに溢れ出ていた。

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3日後
博士念願のシャツ、第一号が出来あがった。



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中国のおばちゃん
ガーナでとても気に入っていた中華料理のお店がなくなってしまった。
ガーナに中華料理店はいくつもあるし、どこもだいたいおいしいのだが、
我が家では、おばちゃん二人で切り盛りしているこのお店ばかりに足が向いた。

店は古くて、きれいとは言えなくて、蚊もたくさん飛んでいた。
私たちが席に着くと、おばちゃんは蚊取り線香を
そろそろと持ってきて、テーブルの下に置いてくれた。
きれいじゃないといっても、汚いわけではなかった。
壁にひびが入っていたり、窓ガラスが割れたままになっていたり、
電気が薄暗かったり、壁際には物置みたいにいろいろと積み重ねられていたり、
つまりメンテナンスと装飾の不足だ。

それでもおばちゃん二人は、のんびりとにこにこしていて
おばちゃんの家にいるみたいに居心地がよかった。
その日にできる料理はいつも限られていたが、
どれもおいしくて、満腹食べても胃にもたれることもなかった。

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おばちゃんたちは二人とも、中国語しか話さず、
私たちは英語で書かれたメニューを指差して、
その日「ある」か「ない」か確かめた後は
「ハオチー(おいしい)!」と「謝謝」と「再見」しか会話ができない。
私たちの食べる様子や表情をおばちゃんたちは汲み取ってくれて、
ずいぶんと笑顔は交わしていたが、
やはり言葉が通じないというのはとても残念だった。

はるばる西アフリカのガーナにどうして辿り着いたのか、
全く英語を話せずガーナで苦労したことはなかったか、
休みの日はどんな風にすごしていたのか、
ガーナで何が楽しかったか。
何でもいい、おばちゃんたちの物語に触れてみたかった。

おばちゃんたち、中国で元気かな。

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ラルビさん
「家具を買いたい時は、彼に頼むといい」
ガーナに来る前に知人からラルビさんを紹介された。
必要な家具はあまりなかったが、娘のベッドが足りなかったので
もらった連絡先に電話を入れてみた。

ガーナには家具を作る職人は多く、道端の青空家具屋もよく見る光景だ。
規定があるのかほぼ同じデザインで、品質もよいとはいえない。
まぁ、2,3年ならいいか、と割り切って使うには便利であるが。

そんなわけで、正直なところラルビさんにもそれほど期待はしていなかった。
住んでいる所も遠くて実物も見れず、やりとりはメールだった。
送られて来たサンプル写真の一つを選び
頭の部分は、物が置ける棚の形にしてほしいと
娘の書いた鉛筆画を添付して返信をした。

1ヶ月後、ラルビさんから完成したとメールが入り、
工房があるタコラディから車で8時間かけて運んで来てくれた。  
「朝4時に出たんだけど、時間がかかっちゃったね」
初めて会ったラルビさんは、疲れも見せずににこやかにそう言った。

娘の鉛筆画がきれいに立体になって目の前にあった。
出来上がったベッドは誠実に愛情こめて作られたのが一目で分かる。
細部にわたって丁寧に仕上げてあって、
私は無意識に手でベッドをなでていた。

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仕事(作品)に人柄が出るとはこういうことなのか。
美しい仕事とはこういうことなんだ。

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マザール
「なんてエネルギッシュ。 笑って元気になった!」
今年2月、コンドルズ公演の後、笑顔で言ったマザール。

 (参照: 「おばあちゃん」 )

10日前、私たちのイスラエルのおばあちゃん、
マザールに会いに北部の村へ向かった。

「ご飯の用意はできないけど、待ってるよ。」
その数日前、電話口で嬉しそうに言ってくれた。

私たちが到着する2時間ほど前に、
マザールは病院に運ばれた。
そして数日間のうちに、
灯が穏やかに、しかしどんどん小さく弱くなり
そのまま天にのぼっていってしまった。

昨日、北部の村に行った。
マザールの家はあるのに、マザールはどこにもいなかった。

「海が来るから牛乳買っておいたよ」
「船長のための塩なしアーモンドはこっちだよ」
にこにこした顔が浮かんできて
マザールがいなくなってしまったのは本当なんだと
ずしんと実感した。
涙が止められなくなった。

マザールの希望で、
お葬式ではお祈りもなく
家族や友人などの言葉もなく、
マザールが書いた手紙だけが読まれ、
マザールが選んだ歌が2曲だけ流された。

2曲目の歌は、海もよく知っている
子ども向けの楽しい歌だった。

マザールがあふれていた。

マザール、どうぞ安らかにお眠りください。

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      3ヶ月前、これが最後の写真となった。
      私たちの心の中で、いつまでも笑顔で生きています。



Posted by 船長
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